現在、フランスはご存知のように、黄色いベスト運動でストやデモが続いています。
その運動は高校生にまで広がり、先週から各高校を閉鎖するなどのストやデモが続いています。内容はバカロレアの試験が平等ではないとか、改革がうまく行ってなくて教師が何教えていいのかわからない状態だとか、なんとかかんとか多くの問題を抱えて困っているように言っておりますが、高校に通う子供も持つ母親として子供からの話しを聞く限りには、もうそれはそれはとても楽しそうです。
うちの地域でも、6日の木曜日には高校生による大型デモが起こり、CRSが10台ぐらい出動するのを偶然見ましたが、高校生が町中を暴れまわるため、沈静化のため、催涙ガスや目にでも当たれば失明する威力があるゴムボールを発射するフラッシュボールなどが使われたようです。
高校内に居た息子曰く、
「お昼休みの長い時間に、校外に出てはいけないと禁止されていたが、裏のフェンス乗り越えてみんな出て行った。朝、デモに参加してお昼ごはん食べに高校の学食に戻ってきて、また午後出かけて行ったクラスメートも居たよ。」
もう、みんなでこんな大騒ぎできることも滅多にないせいか、大喜びで参加している高校生たち。
一方、大人はと言うと、買い物に行って車を壊されたら困るからと街には車に乗っていかなようにしていたみたいで、路駐の車がとても少なかった。
街では、車が無くてもバス停のガラスを割る姿は見られましたが、それでも、うちの地域はそこまで酷くはなかったのですが、、
他の地域はもっと酷いところはたくさんありました。その一つが、パリ郊外Mantes-la-Jolieマント=ラ=ジョリー。
車を燃やし、ガスボンベを持ち込み、警備隊を襲い146人逮捕
マント=ラ=ジョリーが特に有名になったのは、この高校生が、膝まつき、頭に手をつけていなければいけない状態にさらされたことがショッキングだと、フランス中にこの映像が回ったからです。
D'autres images de l'interpellation de dizaines de lycéens, aujourd'hui à Mantes-la-Jolie. pic.twitter.com/ghv8K91e7l
— Violences Policières (@Obs_Violences) 2018年12月6日
しかし、この地域では、高校生により2台の車が燃やされており、教育相が言うには、トラックで高校を閉鎖し、ガスボンベを持ち込み、警備隊を襲ったとか。
ショッキングな映像ではあるが、少ない人数で、これらを制圧するために必要な行為だったのではないかと現在議論されているところ。人権委員会のアンケートも始まったのでその件は結果まちですが、一応、警察の行為は規定に沿った通常の行為だったようです。
Après de nouvelles émeutes près du lycée Saint-Exupéry à Mantes-la-Jolie, où deux voitures ont été incendiées, la police interpelle 146 personnes #AFP pic.twitter.com/Luk4QfdStk
— Agence France-Presse (@afpfr) 2018年12月6日
しかし、一番、驚きなのは、
146人と言う、全国でも最高人数の逮捕者を出したと言うこと。
と言う私に、あるコメントが届きました。
la police interpelle 146 personnes の、interpellerと言う動詞。名詞は interpellationは、
「逮捕」ではなくて「職務質問」じゃないかと
∑(・ω・ノ)ノえっ?
身柄を拘束されで事情を聞かれるので、さすがに「職務質問」ではないですよね。。。
interpellationrは、「職務質問」なのか?
ちなみに、日本の、職務質問とは何かと言いますと、
職務質問
警察官職務執行法第2条に基づき、警察官が異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者を停止させて質問することである。
日本では、日本国憲法第34条により不当な抑留・拘禁を禁じている。刑事訴訟に関する規定によらずに身体を拘束したり、連行したり、答弁を強要してはならないことが、警察官職務執行法第2条3項に規定されている。そのため、強制的な捜査や逮捕には令状が必要である。
その場で質問するような感じのようで、連行したりはできないみたいです。
この高校生は、その後、拘束されて警察署に連れてかれたので、interpellationは、「職務質問」ではないでしょう。
interpellationは、どちらかと言うと「事情聴取」と言う方があっているような気がします。
interpellationは、逮捕なのか?
同じく、日本の逮捕はどういう意味なのか調べてみると、
逮捕
逮捕(たいほ)とは、犯罪に関する被疑者の身体的拘束の一種。
逮捕の意味は各国での刑事手続の制度により大きく異なる。日本法における逮捕は捜査官のいる場所への引致である。英米法における逮捕は裁判官に引致するための制度であり、日本法では勾留請求は逮捕とは異なる新たな処分とされているから、英米法の逮捕と日本法の逮捕とは全く制度を異にする。
「逮捕は捜査官のいる場所への引致」と言うことであると理解すれば、私的には「逮捕」訳していいかと思えます。
ちなみに、CNNのニュースでも、interpellerが使われていたところで、「逮捕」と書かれています。
でも、この後、ニュースでは、どんどん「拘束」と言う言葉に統一されるようにも確かになっています。
しかし、気になるのは日本と気に英米では制度が異なると言う点
英米法における逮捕は裁判官に引致するための制度
多分、それはフランスでも同じで、Interpellation → garde à vue「拘留」 ときたあと、「罪」があるとわかれば、Arrestationになります。
この流れを考えれば、Arrestationは、日本で言う「起訴」になるのではないでしょうか?
「起訴」とは、検察官が特定の刑事事件について「有罪の証明ができる」とし、裁判所の審判を求める意思表示を言います。
Interpellation「逮捕」または「拘束」 → garde à vue「拘留」→ Arrestation? Inculper「起訴」
って感じでしょうか。。。
追記 12月10日に、ゴーンさんが起訴されましたが、Inculper(…容疑で告訴する)が使われていました。
だから、フランスでは「Interpellation」日本では「逮捕」「拘束」の時点では、事情聴取をするだけで罪は確定しておらず、フランスでは「Arrestation」日本だと「起訴」だと「有罪の証明ができる状態」ってことでしょうか?
でも、思ったんですが、、、
何気に、Arrestationって聞くと、「逮捕」って訳してません?
そういえば、カルロス・ゴーンさんの場合はどうだったんだろうか。。。う~ん。
そこで、ゴーンさんのフランスでの報道を見てみると
Arrestation de Carlos Ghosn www.lefigaro.fr 11月20日
Arrestation de Carlos Ghosn www.francetvinfo.fr 11月25日
完全に、Arrestationって書いてあるやん。
うわ~~もうこれは完全有罪って言う印象受けますわ~
実際は、この時点では逮捕されただけでした。
実際、この時点では、「逮捕」されて「拘留」されただけで「起訴」はされていません。報道でも「容疑者」が付いており、罪が疑われている状態なだけでした。
ちなみに、ちゃんとinterpellationで説明されている記事も多数あります。
いや~~言葉遣いって難しいな~~。ちゃんと言葉だけを鵜呑みにしないで、現実の状況も確認した上で理解しないといけないな~と思いますね。
あとがき
いつもは慣れない擁護で、言葉の使い方で気になったので自分なりに調べてみましたが、専門家でもないので、もし間違っていたらぜひ教えてください。調査して、それが正しければぜひ記事に反映していきたいです。
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