学校で掃除することは、奴隷扱いだからなのか?

フランスと日本、都会と田舎、中上級階級と庶民など、さまざまなはざまで生きてきた境界人であるため、他の人と違う視点を持った著述家として活動しています。コラム執筆などの依頼も請け負っております。

ulalaをフォローする
フランスの日常
この記事は約18分で読めます。

以前、フランスの元教育相のジャック・マチュー・エミール・ラング氏が東京に行って帰ってきた時、イダルゴ・パリ市長にツイートした言葉が、話題になっていたことがありました。

「日本の町は掃除が行き届いており、パリもそこからインスピレーションを得れるのではないか」

と言うのです。

東京はとても清潔だった。パリも見習ったどうだいと言われた時のフランス人の反応
先日、フランスの元教育相のジャック・マチュー・エミール・ラング氏が東京に行って帰ってきた時、イダルゴ・パリ市長にツイートした言葉が、話題になっていました。 Chère @Anne_Hidalgo , Je rentre d’un...

サッカーの試合後に、日本人が清掃する姿などもフランスでは話題なっており、一部のフランス人の中では、日本はとても清潔な国だと言ことが定着しつつあります。

そんな中、フランスのネットを中心とするメディア「BRUT FR」も、日本の子供が学校で清掃する姿を見て、感心して紹介したくなったのでしょう。下記のような投稿をしました。

試合後に座席を掃除するサポーター、毎晩教室を掃除している小学生…
日本は多分世界で最も清潔な国。これがその理由です。

映像には、子供達が学校で掃除する様子。街にゴミが落ちていない様子。会社の社長が自らトイレ掃除している様子などがフランス語の言葉付で映し出されています。

そうしたところ、なんと、下記のような子供が学校で掃除していることに対して、奴隷と言う言葉を持ち出してくる人が現れました。

スポンサーリンク

学校で掃除することは、奴隷扱いだからなのか?

彼らに奴隷制度を、迅速に学ばすことができるね。

え~~∑(゚Д゚; )掃除することは、奴隷?!

・・・びっくりです。

なぜ、子供達が清掃する姿から、奴隷と言う言葉がでてくるのか?

しかし、みんなで一緒に働く日本では想像しがたいことかもしれませんが、フランスを始めとする欧米では、掃除の仕事は下層の人々の仕事と言う感覚があることも確かです。

日本のサッカーのサポーターが清掃をしている姿や、日本人がパリを清掃し始めた時、一部のフランス在住の日本人は、

「迷惑だ」

と言っていた人達が居ました。

なぜなら、「掃除の仕事=下層の仕事」 「それを率先している日本人=下層」と思われたくないと言うのです。

まあ、フランスにいるとその気持ちもわかります。

「みんなで一緒に働く日本」と違い、フランスは「階層社会」

階層が高ければそういった下層と位置づけられる仕事はしません。

日本の社長は、会社の前を掃除している。

なんてフランス人に言ったら、ビックリされますし、下手したら嘘ついているかと思われほどです。だから、この動画でも紹介されているのです。

古いアメリカ映画になりますが、昔「将軍 SHOGUN」と言う映画がありました。

この映画は、アメリカ人が日本の文化に最初はびっくりしたが、その後はどんどんなじんでいった生活を描いた、ジェームズ・クラヴェルの小説が基になった映画ですが、

その中で、ある日アメリカ人の主人公が海に連れていかれたシーンがあります。

リチャード・チェンバレン の 将軍 SHOGUN
ジェームズ・クラヴェル

アメリカ全土で“ショーグン”ブームを巻き起こしたTVシリーズのBOX。オランダ商船が難破し、イギリス人航海士・ブラックソーンは伊豆に流れ着く。この時日本は有名大名たちが天下を争っており、彼は壮絶な覇権争いに巻き込まれていく。全8話を収録。

そこに、船の下部で人力で漕いで動かすタイプの大型船がやってきました。

それを見た主人公は驚いて逃げようとしたのです。

なぜなら、ここに連れてこられたのは、

「奴隷にされて、あの奴隷船で船を漕がされる!!」

と思ったからです。

しかし、その船を漕いでいたのは。。。

なんと、奴隷ではなく、、、、

サムライ達!!!

(;^ω^)あはは

多分、日本は当時外国の真似して大きい船作ってみたんだと言う設定なのだと思いますが、単に彼らとしては「船を作って動かすと言う目標」に向かって全員が一丸となって働き、船を漕ぐのも一つの役割分担としてやっていたのでしょう。まあ、あくまでの小説の話しなので、実際に実在した出来事かとうかはわかりませんが。

日本は欧米みたいにどっかの国から強引にさらって来た奴隷を、苦労働に使うって発想はあまりなかったんですね(´・∀・`) 日本では、みんなでがんばって働くのがあたりまえ。

しかし、そのことにすっかり驚く、映画の主人公。

「みんなで一緒に働く日本」と、「支配する者と支配される者に分かれる欧米」との違いが明白に捉えることができるシーンだな、と思い、とても印象に残りました。

そこで、この子供達が学校で清掃することに対しても、

「みんなでする仕事」「奴隷など下層がする仕事」か、考え方のベースが違うことにより、受け取り方も変わってくるのではないか?果たして、フランス人はどのぐらいの人がこういったことを肯定的に思うのだろうか?と疑問に思ったので、膨大についていたコメントを見ていくことにしました。

この「清掃=奴隷がする仕事」と取れる発言への返信コメント

先ほどの心無いコメントへのコメントですが、フランス人から反感のコメントが付きます。しかし、、、

きれいに保つことって奴隷制度?。154件のいいね


↑への返信

意思に反して仕事するように強制するのが、意味ないんだよ。2件いいね


↑への返信

その場合、フランスでも、学校に行くように強制していますよ。家でやる宿題も、奴隷制度だから?いいえ。それはただの教育です。知に偏ったよくない思想が標準タイプのフランスでは、忘れられてることのようだ。。。129件のいいね


↑への返信

学校に行く≠ トイレを洗う 1件のいいね


↑への返信

掃除。それは万人に適用されること、全ての人がするべきことです。そして、一日の終わりに掃除をしなくてはいけないと思っていれば、そこら中にゴミをなげちらかすのをやめさせることもできるでしょう。私は、そのことが悪いこととは思いません。116件のいいね


↑への返信

掃除の奴隷制度と言ってる奴らは、そいつら自身が家でも汚いってことは確かだと、結論づけられるようだね。 いいね60件


↑への返信

まさに100%その通りだ。何も言うことはない。いいね6件


↑への返信

ありがとう友よ。この不潔な連中に憎まれるな俺 いいね7件


↑への返信

爆笑 兄弟よ。グッジョブによる見事なKOだ いいね2件

掃除をすることに賛成の人は、整然と意見を言ってます。それに対して反対する人もいますが。。最終的には掃除する方を擁護する人で終わったようです(^^♪

ほかにも肯定する意見が結構多くありました。

私達の小学校の時(おやつがミルクだった時代、58、60)毎週、テーブルを拭かなくちゃいけなかったわ。クラスを尊重することは、生徒の責任でした。全ての公共の場はみんなの場所です。個人の場所ではありません。いいね14件

1958年頃は、フランスが大量の移民を受け入れ始めた時期ですね。それ以前は、フランスでも公共の場に対してみんなで気を配ることが普通だったのでしょうか?

それは私たちの学校にも導入するべき、不可欠ですよ!いいね3件

真似するべき。いいね3件

コートジボワールではCP1のクラスでこれやります。いいね22件


↑への返信

素晴らしい。非常に良いし教育的。フランスも、汚れているときさせるべきだわ。いいね6件

私の娘の高校 (ドイツ) では、生徒たちは毎日交代で (二人組)、教室を順番に整頓します (掃き掃除、テーブルと机を拭く、ごみ箱を空に)。残り (床、ガラスなどの洗浄) は、クリーニングサービスによって行われます。いいね9件


↑の続き

各生徒に、15日置きに10分程度の仕事。奴隷とか言ってる人は、いったい何の仕事してる人なの?いいね17件

などなど。。まだまだ賛成意見はいっぱいありました。

その他

ただ気になるのは、クジラやゴーンさん、原発、福島に関連づけて皮肉る人が居たこと。

カルロス・ゴーンが確認してくれるでしょう。
あとは福島をきれいにするだけだね

しかし、鯨類の最大の虐殺だ! 角質動物虐殺者だ! 教えてもらうことなんてない。例えそれが主題ではなくても。
確かにそれが主題ではないわ。

また、前述したラング氏のツイートにも、こう言った言葉を投げかけている人もいました。

何人か、日本人はもっと掃除されていて、もっといいって思ってる(笑)もし彼らみたいな学校で学んだりしたら、沢山訴訟を受けちゃうよ。フランスは、「道に物を捨てる。それは問題ない。掃除するためにお金払う人がいるんだよ」っていいね25件

実は、この訳は、いまいち自信がなかったので、正確な内容を知りたくて何人かのフランス人に見せたのですが、そうすると怒って「意味ない言葉だ」とか言う返答しか返ってこなくて困りました。自分に言われたとか思っちゃったのでしょうね、そんなつもりはなかったのですが。。(´・д・`)ゞゴメンネ。沢山「いいね」ついてるし、正確な訳にして載せたかっただけなんですぅ。。。(;^_^A

まとめ

まあ、色々な意見があふれていますが、

結果として、掃除することに奴隷と言う言葉を関連づける人は、ほんの一部の人だけであることがわかりました。

コメントの中には、他国を称賛することが気に入らない人のコメントも多数。その点は、自分の国を汚されたら腹が立つと言うのはどこの国でも同じことでしょう。

全てのコメントを見る限り、子供達が掃除していて、街並みにゴミが落ちていないように気を配っていることに対して、称賛している方の方が多いことは確かなようですね(*^─^*)

この人達が好きだ👏🏼

美しい教育

清掃が奴隷と言う言葉に関連づけられているのを見た日本人たちの反応

掃除することに対しての日本の反応ものせときますね(^^♪

最後に

みなさんは、どう思いましたか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました