日本では、自分の好きな洋服や水着を着ることができますが、実はフランスでは、
法律や規則で制限されている衣類があるんです!
それは、「顔を隠す服」と「全身を覆う水着」
「あ~イスラム教徒の女性の服でしょう。私はイスラム教徒ではないので関係ないわ」
と思ったみなさん!いやいやいや。それがそれが。そう思っていると大きな失敗をするかもしれません。実はふつうに日本で着ているかもしれない日本人のファッションに大きな落とし穴があるんです。
だいたい、言葉も不自由なのに、トラブルに見舞われるのはなるべく避けたいものです。自分では大丈夫と思って身に着けて、うっかりフランスで警察に捕まったりしないように、禁止の「理由」と「服装例」を説明したいと思います!
「ブルカ禁止法」
フランスでは、2011年に「ブルカ禁止法」と呼ばれる法律ができました。
違反すれば着用者は罰金150ユーロ(約1万7千円)か、フランス市民教育の受講を義務づけられ、女性が着用を夫や父親に強制されていたとすれば、強制した夫などには最高で禁固1年か罰金3万ユーロが科せられることになっています。
この法律が決まる時に言われたのが、
「ブルカは女性の自由と尊厳の問題だ。ブルカは隷属の表徴であり、フランス共和国の領土内では歓迎されない」
と言うこと。
というのも、フランスではイスラム教徒の女性がベール等をかぶっているのは、男性が強要した結果であり、奴隷の象徴であると言う見解が一般的なのです。
しかし、↓こちらの記事にも書きましたが、実際はそうとも言えないケースが大半です。
こういった一部の宗教の服装にいちゃもんを着ける理由は、「テロへの恐怖心」もありますが、「イスラム教徒の移民の増加を不快とする大衆の感情」が一番大きいでしょう。
しかしながらそういったことをあからさまに言うことはもちろんできないので、建前として「奴隷の象徴は許さない」と言う理由を使いけん制しているというのが実際なのです。
そこで、できた「ブルカ禁止法」
「ほら、やっぱり、イスラム教じゃない人には関係ないじゃないか。あんな黒装束のマントみたいの来てないし」
と思っている人もいるようなのですが、イスラム教徒の服装をを対象にしているようで、実はイスラム教徒の服装を対象にした法律ではないのです。
「ブルカ禁止法」は黒装束の服やベールを禁止した法律ではなく、公共の場で顔を覆うことを禁止した法律なのです。
これと似たようなルールは日本にもあります。例えばコンビニで「フルフェイス着用禁止」など。あれは、強盗は顔隠して入ることが多いので防犯対策ですが、それ同じ理由とも言えます。顔を隠している人がウロウロしていると、確かに怖いですよね。
ですから、このようにニカブやブルカのように顔を覆い隠す服装はだめですが、
同じ黒装束でもチャドルのように顔を出していればOKなのです
しかしあまりそういった事情を知らない日本人が、イスラム教徒の服がダメだと勘違いして、ついフランスでも身に着けて来てしまうのが、
UV対策用品
↓こんなの絶対だめですからね!(乂`ェ´*)ダメ!
いや、内心では、ちょっとこれ欲しいなと思いましたが、フランスの公共の場で使うと警察官に声をかけられるかもしれませんよ。
↓これも絶対(乂`ェ´*)ダメ!
「完全防備 すっぴん日よけフェイスカバー」
だなんて魅力的な言葉に・:*:・(*´∀`*)ウットリ・:*:・しますが、ダメです!
できれば、UVアームカバーも辞めた方がいいと思います。特に↓このような黒。
これは捕まりはしませんが、色が黒じゃなくても、ジロジロと変な目で見られます。
×「生腕なんて、絶対ダメでしょ。」
○「生腕推奨!」
2016年8月末までフランスのビーチではブルキニが禁止に。
フランスでは、この夏、大論争の末、ブルキニと呼ばれる水着着用を禁止とする町が現れました。
ブルキニ (burkini, Burqini) とは、イスラームの女性信者向け水着の一種でビキニとブルカから成る造語で、オーストラリアで活動しているレバノン系オーストラリア人のデザイナーAheda Zanetteが考案した水着。特徴はイスラームの戒律に合うように手足の先と顔だけしか露出しない、体に密着しないデザインにあります。
フランスではイスラム過激派によるテロが相次いでおり、7月14日のフランス革命記念日にはニースで、花火見学帰りの群衆にバスが突っ込み多数の方が亡くなりました。そのため、イスラム過激派と、普通のイスラム教徒(ムスリム)とはいくら違うと言っても、対イスラム教徒への反感が大きくなっているのです。
そこで、ニースのすぐ近くのカンヌでは、ダヴィッド・リスナール市長が7月28日〜8月31日の期間中のブルキニの着用禁止を宣言しました。
理由としては、
- 安全のため
- 衛生上の問題のため
- ライシテに準ずるため
としています。
ライシテとは、政教分離の原則・政策の意味で、政治や学校には宗教を持ち込まないと言う原則です。ちなみに日本もライシテの国です。
しかしながら、ライシテと言っても、宗教の自由があるため学校を除く公共の場においては、宗教に関係する衣服は着てもよいことになっているので、このイスラム教徒の女性の服装のみを標的にした規則は違法ではないのかと言われ国内でも議論を呼びました。海外でもアングロサクソン系の国を中心に、「必要ない」「バカげている」とメディアで報じられたのです。
しかしながら、フランスのバルス首相は、
「ブルキニはフランスの価値観とは相いれない」と述べ、自治体の対応に一定の理解を示す声明を出して、一気に認められた感があります。また、同時に「他の町でもするべきだ」とも言っています。
カンヌの自治体は、「治安上の問題を起こしかねない」とも言っているのですが、これは確かに納得する部分もあります。
カンヌの規則の発令の後ほどなくして、コルシカ島でブルキニを着ていたことでもめごとが発生しました。その争いはグループ間だけでは収まらず、村人達も参加して100人ほどが暴れる騒動となったのです。3台車が燃やされ、妊婦を含む5人負傷。警察と機動隊が出動してようやく騒動を収めました。逮捕者も出て、今裁判をおこなっているところです。
騒動を受けて、コルシカ島のシスコの村長アンジュピエール・ビボニ(Ange-Pierre Vivoni)は、8月15日の祭りを中止し、その理由を
「安全が理由ではない。住民にそのことが念頭にないからだ」
と述べ、ブルキニの着用も禁止にしました。
村長はこうも続けます。
「私は断じて差別主義者ではない。住民を、特にわが村のイスラム教徒の住民を守りたいと考えている。こういった過激主義の挑発行為の主たる犠牲者になっているのはイスラム教徒だからだ」
要するに、ブルキニを着ていることが気にいらない人がいて、テロがあって尚更いざこざが起きやすくなっている状態なため、ブルキニ自体を禁止にしているのです。
差別的な規則と言われながらも、容認される理由はそこなのです。それほど、フランスが一触即発的な雰囲気になっていることは否めません。
なので、そんな中、日本人でも宗教的の意味合いもなくブルキニではないからと言って、日本のUV対策の服を着るのはちょっとリスクがあると思うんです。
例えばこれ↓
水着でも、最近は腕のみならずここまで足を隠す水着があるんですね(*’д’*)
しかも、こんな感じの人、日本の浜辺では結構みます。
↓こういうのとかも、肌はある程度でてるけど、ビーチに着る水着?って感じがします。
↓タンキニは、ある程度肌はでてますが、なんだかブルキニに似てますよね。
タンキニ
まあ、上記のような水着を着ていても、捕まるようなことはないと思いますが、嫌な顔をされるのがおちなので、あまりお勧めはしません。
しかしながら、絶対だめなのがこれ!(乂`ェ´*)ダメ!
再再再入荷!大人気のフェイスキニ 顔用日焼け防止マスク ラッシュガードやサングラスと併用して効果抜群
これは絶対NG(乂`ェ´*)ダメ!速攻捕まりますわ!
今の時期、海外でこれを着けることはやめましょう!
と言うか、これは日本でもあまりいないとは思いますが(笑)
だったら、どんな水着がいいかと言いますと、↓こんな感じです。
親子で年齢関係なくビキニ着用。これがフランスで一番多いパターン。もちろんシンプルなワンピースもOKです。
水着ぐらい好きなもの着させてよ~~
と不満は残るところですが、トラブルに巻き込まれたくなかったら、「郷に入れば郷に従う」
それが一番、得策なんですよね。
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