いつもの朝のルーチンで、フランスに関する記事をチェックしていたら、こんな恐ろしい記事を発見しました。
「(フランスの)銀行は、理由を知らせずに口座を閉鎖できます。しばしば、預金が残っていても銀行にあまり利益をもたらさなかったり、費用が掛かりすぎるからという理由で行われます」
|ω・`))))ブルブル
そういえばさ、よくフランスで見かけるじゃん。絶対現金で払う人。このカードフランスで、現金で払うってことは、収入がないから銀行に口座を持てないのだろうなと思っていましたが、既に口座を持っており、赤字口座でなくても、強制閉鎖(一方的解約)されることがあるだなんて。。。
フランス、恐ろしすぎる!!!
そう思って、少し調べてみました。
儲からなければ、客さえリストラするフランスの銀行
記事には、40年フランスに住んだ筆者の方は、「残高不足」にならないように気を付けていたのにも関わらず、
突然、銀行から、口座閉鎖予告通知が届く
と言う、ショッキングなもの。
そのことが理解できず、銀行に電話をかけると、けんもほろろに
「書いてある通りです。もうあなたの口座は閉鎖するということです」。まるで、こんな簡単なフランス語が読めないのか、といった感じだ。面会を申し込むと、けんもほろろに「会う必要はありません。もう決まったことです」。理由は「先月あなたに2度電話したのに出なかった。留守電に入れたのにかけてこなかった。あなたは不誠実だ」。
電話を受けた覚えはない。携帯にかけたというから、履歴を確認したがそのような記録は残っていないし、もちろんメッセージも残っていなかった。
と、「うそ」まで並び立てられ、拒絶される。
おまけに、それだけではない。
銀行に行っても担当者から面会を拒否される
取りつく島もないとはこのことだ。ぶっきらぼうなだけではなく、まるでこちらがクレーマーであるかのように見下され、露骨に嫌な顔をする。日本ではお役所にでも行かなければこんな対応はまずされないが、フランスでは民間でも普通の店でもよく起きることだ。こうなると埒があかない。わかっちゃいるが、こちらも、もう一度言い分を言うだけ言って腹の虫を収めるしかない。そうこうしているうちに入口から警備員が来て、これ以上話していると危ないような雰囲気になってしまった。
や、やばくないですか(((( ;゚Д゚))))ガクガクブルブル
で、でも、ですね。フランスでお金が無いってこういうことなんですよね。とてもひどい対応を受けます。だから人々はなるべく良い身なりをしてお店とかに行く。。
しかしながら、この方はコンスタントにお金は銀行にあって、手数料も払っているのに、この仕打ち。
こんな、一方的に解約されるだなんて。。。
あ、ありえないでしょ!!
しかし、調べてみたら、こんなことはよくあることであることが判明しました。とういうのも。。。。
フランスの銀行は、口座を閉鎖する権利がある
こんな、「強制的に閉鎖していいのか!」とも思いますが、フランスの銀行は顧客の口座を閉鎖する権利があります。
その法律は、こちらになります。
article de loi L 312-1 C Convention des Monnaies et Finances
その手続きは、閉鎖の2か月前に、書留で通知すればよいそうです。
なぜ、銀行が口座を強制閉鎖するのか?
なぜ、銀行が口座を強制閉鎖するのか?
そんもの決まってるでしょ。
なぜなら、そんな口座を銀行が持っていても得にもならないからですよ
例えば、
- 口座の信用度が高いが、クレジットカード、保険口座、貯蓄口座など、十分な銀行商品やサービスを使用してない。
- 口座は預金残高もちゃんとあるが、活動していない。つまり、お金は眠っている、何の動きもない。
- 銀行の担当者や、銀行とおりありがあまりよくない。信用されていない客とは長く関係を持ちたいと思わない。
- 収入(賃金、年金…)が少ない。銀行にとって有益ではないとみなされる。
などなど、銀行は奉仕で仕事をしているわけではないので、利益にならなければ、口座を保持していたくはないのです。
記事の筆者さんなどは、多分、あまり動きがない口座だったのかもしれません。
しかも、ここで落とし穴は、口座を閉鎖するために予告通知を送ることは義務付けられていますが、銀行が閉鎖したいと思うほど口座の運営状態が悪いと言うことを事前に知らせる義務はありません。だから、突然、口座閉鎖予告通知がくるのです。
口座閉鎖予告通知が来たらどうするか
この突然くる口座閉鎖予告通知。でも、銀行が義務をちゃんと守っていれば、閉鎖までに2か月の猶予があります。そこで、その間にできることをする必要があります。
1.銀行に使用方法など改善する旨を訴えて口座継続をかけあう。
ほとんど望みはうすいですが、もしかしたら何かの可能性もあるので、やってみることは必要でしょう。
2.他の銀行を探す
口座を開いてくれる口座を即急に探す。これに尽きます。すぐ探しましょう。
口座を開いてくれる銀行が見つからなかったら?
フランスでは銀行口座を開設する権利があります。それが Droit au compte
フランスに居住する者、海外のフランス国民、EUの他の加盟国に合法的に居住する者は、基本的なサービスへのアクセスが可能な銀行口座を開設する権利があります。銀行から口座を開設することについて拒否される場合がありますが、その場合申請すれば、Banque de Franceが強制力をもって金融機関を指定して、口座を開設することができます。
詳細はフランスの公共サービスに関するページRefus d’ouverture de compte bancaire : droit au compte↓からどうぞ。
手続きの詳細などは、毎年変わるかもしれませんので↑のページで確認していただきたいですが、
基本的には、フランスに銀行口座を持っていない場合、
- 申し込み願いの手紙(手紙の例はこちら)
- 申込書
- フランス人または外国人の身分証明書(身分証明書、パスポート、住居カード、運転免許証…)
- 住所証明書(水道、電話などの3か月以内の請求書、3ヶ月以内の賃貸領収書など)
- 銀行の拒否状
- あなたは個人的なまたは専門的な預金口座を持っていないという事実を証明する宣言
というような書類を用意して申し込めば、
- 口座の開設、保有および閉鎖
- 年間の住所の変更
- 銀行口座番号の発行
- 銀行振込
- 毎月の口座明細の送付
- 小切手や銀行振込の現金化
- 銀行またはそのATMでの現金の預金および引き出し
- 口座引き落とし、銀行間支払いまたは銀行振込による支払い
- 口座残高のネットでの使用許可
- その使用が銀行によって許可された銀行カード
- 月2 回の銀行小切手または同等のサービスを提供する同等の支払い手段
- 住所変更(毎年1回のみ)
というというような、銀行の基本的なサービスを受けることができるようです。
いつ何があってもよいように備えよう
いや~怖いですね。銀行口座の一方的解約がこんな簡単に行われるとは。
私も、この前、銀行の人に入金額が少なくて、いい仕事探すべきみたいなこと、きりっとした目で言われたんだけど、あれは私のこと心配してくれてるんじゃなくて、銀行口座が維持できなくなりますよって意味だったのかと思うと、震えが止まらない。。。
私達の身には、いつどんなことが起こるかはわかりません。その時には、銀行は、いつも使える存在ではないと言うことを認識すべきですね。
と言うことで、現在問題ないとしても、保険としてそういった銀行を所有しておくことは大切かもしれません。今は、フランス国内じゃなくてもネットで銀行も作れますので、万が一に備えて作っておけば、いざという時にすぐに使えて給料を入金してカードは使うことはできます。ただし、小切手とか入出金できないとこもありますので、最終的にはやはりいろんなサービスが使えるところを探すか、Banque de Franceに頼む努力は必要になりますが。
あと、こういう時のためにも、何かの時に共同口座を一緒に持てるパートナーがいることは、心の健康のためには安心材料にはなるかもしれません。
お金持ちだけが普通に生きる権利あって、貧乏人にはつらい国フランス。。。
カード社会で、生活するのにカードも銀行口座も必要なのに、銀行口座すら簡単に一方的解約される可能性があって、しかも酷い態度で冷たく拒否される。
そりゃ、労働者の黄色いベストのデモも起こるはずですわ。
ということで、私も頑張って生きていかないと。。。
↓記事執筆や書籍執筆、広告掲載など、何かお仕事あればやらせていただきます。お問い合わせはこちらでお待ちしています(*^─^*)ニコッ
http://www.franceplusplus.com/contact/
(一気にざっと書いたので、今後、修正、追記が入るかもしれません。ご了承ください。)
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