以前、フランスの元教育相のジャック・マチュー・エミール・ラング氏が東京に行って帰ってきた時、イダルゴ・パリ市長にツイートした言葉が、話題になっていたことがありました。
「日本の町は掃除が行き届いており、パリもそこからインスピレーションを得れるのではないか」
と言うのです。
サッカーの試合後に、日本人が清掃する姿などもフランスでは話題なっており、一部のフランス人の中では、日本はとても清潔な国だと言ことが定着しつつあります。
そんな中、フランスのネットを中心とするメディア「BRUT FR」も、日本の子供が学校で清掃する姿を見て、感心して紹介したくなったのでしょう。下記のような投稿をしました。
日本は多分世界で最も清潔な国。これがその理由です。
Des supporters qui nettoient leur tribune après le match, des écoliers qui nettoient tous les soirs leur salle de classe…
Le Japon est probablement le pays le plus “propre” du monde. Voilà pourquoi. pic.twitter.com/i5Xjg0jsR3— Brut FR (@brutofficiel) 2019年1月30日
映像には、子供達が学校で掃除する様子。街にゴミが落ちていない様子。会社の社長が自らトイレ掃除している様子などがフランス語の言葉付で映し出されています。
そうしたところ、なんと、下記のような子供が学校で掃除していることに対して、奴隷と言う言葉を持ち出してくる人が現れました。
学校で掃除することは、奴隷扱いだからなのか?
on leur apprend rapidement l’esclavage!
— Car2Paris (@Cbellage) 2019年1月30日
え~~∑(゚Д゚; )掃除することは、奴隷?!
・・・びっくりです。
なぜ、子供達が清掃する姿から、奴隷と言う言葉がでてくるのか?
しかし、みんなで一緒に働く日本では想像しがたいことかもしれませんが、フランスを始めとする欧米では、掃除の仕事は下層の人々の仕事と言う感覚があることも確かです。
日本のサッカーのサポーターが清掃をしている姿や、日本人がパリを清掃し始めた時、一部のフランス在住の日本人は、
「迷惑だ」
と言っていた人達が居ました。
なぜなら、「掃除の仕事=下層の仕事」 「それを率先している日本人=下層」と思われたくないと言うのです。
まあ、フランスにいるとその気持ちもわかります。
「みんなで一緒に働く日本」と違い、フランスは「階層社会」
階層が高ければそういった下層と位置づけられる仕事はしません。
日本の社長は、会社の前を掃除している。
なんてフランス人に言ったら、ビックリされますし、下手したら嘘ついているかと思われほどです。だから、この動画でも紹介されているのです。
古いアメリカ映画になりますが、昔「将軍 SHOGUN」と言う映画がありました。
この映画は、アメリカ人が日本の文化に最初はびっくりしたが、その後はどんどんなじんでいった生活を描いた、ジェームズ・クラヴェルの小説が基になった映画ですが、
その中で、ある日アメリカ人の主人公が海に連れていかれたシーンがあります。
アメリカ全土で“ショーグン”ブームを巻き起こしたTVシリーズのBOX。オランダ商船が難破し、イギリス人航海士・ブラックソーンは伊豆に流れ着く。この時日本は有名大名たちが天下を争っており、彼は壮絶な覇権争いに巻き込まれていく。全8話を収録。
そこに、船の下部で人力で漕いで動かすタイプの大型船がやってきました。
それを見た主人公は驚いて逃げようとしたのです。
なぜなら、ここに連れてこられたのは、
「奴隷にされて、あの奴隷船で船を漕がされる!!」
と思ったからです。
しかし、その船を漕いでいたのは。。。
なんと、奴隷ではなく、、、、
サムライ達!!!
(;^ω^)あはは
多分、日本は当時外国の真似して大きい船作ってみたんだと言う設定なのだと思いますが、単に彼らとしては「船を作って動かすと言う目標」に向かって全員が一丸となって働き、船を漕ぐのも一つの役割分担としてやっていたのでしょう。まあ、あくまでの小説の話しなので、実際に実在した出来事かとうかはわかりませんが。
日本は欧米みたいにどっかの国から強引にさらって来た奴隷を、苦労働に使うって発想はあまりなかったんですね(´・∀・`) 日本では、みんなでがんばって働くのがあたりまえ。
しかし、そのことにすっかり驚く、映画の主人公。
「みんなで一緒に働く日本」と、「支配する者と支配される者に分かれる欧米」との違いが明白に捉えることができるシーンだな、と思い、とても印象に残りました。
そこで、この子供達が学校で清掃することに対しても、
「みんなでする仕事」か「奴隷など下層がする仕事」か、考え方のベースが違うことにより、受け取り方も変わってくるのではないか?果たして、フランス人はどのぐらいの人がこういったことを肯定的に思うのだろうか?と疑問に思ったので、膨大についていたコメントを見ていくことにしました。
この「清掃=奴隷がする仕事」と取れる発言への返信コメント
先ほどの心無いコメントへのコメントですが、フランス人から反感のコメントが付きます。しかし、、、
Être propre c’est de l’esclavage ?
— D. Max (@DMax781) 2019年1月30日
↑への返信
C’est pas la question, on les forces à faire un travail contre leurs volontés
— Yuki Hayato (@YukiHayatoY) 2019年1月31日
↑への返信
En France aussi on est forcé d’aller à l’école dans ce cas , les devoirs à la maison de l’esclavagisme aussi? Non ça s’appelle juste de l’éducation , une chose qu’on semble oublier en France au profil de la mauvaise réflexion intellectuel …
— Martin Euzenat (@LeChienPanzeh) 2019年1月31日
↑への返信
Aller a l’école =/= récurer les toilettes hein
— Yuki Hayato (@YukiHayatoY) 2019年1月31日
↑への返信
Le nettoyage c’est quelque chose d’universel qu’on devrait tous pratiquer. Et ça permettrai au gens d’arrêter de foutre leurs bordel un peu partout parce qu’ils sauront que en fin de journée ils devront nettoyer. Moi je trouve pas que ça soit une mauvaise chose
— (@Lenny_Iza) 2019年1月31日
↑への返信
T’es entrain d’essayer de raisonner des gens que je suis sûr ils trouvent c’est de l’esclavagisme de nettoyer parce que eux même déjà ils sont pas propres chez eux
— LORENZO🌙 (@_xzinho) 2019年1月31日
↑への返信
100% raison rien à dire
— 隻眼の王 (@utsushiwame) 2019年1月31日
↑への返信
Merci khey ils me foutent la haine ces gens sales
— LORENZO🌙 (@_xzinho) 2019年1月31日
↑への返信
Mdr victoire par k-o pour le gang bj les rheys 🙂
— Baptiste C (@Desfallen) 2019年2月1日
掃除をすることに賛成の人は、整然と意見を言ってます。それに対して反対する人もいますが。。最終的には掃除する方を擁護する人で終わったようです(^^♪
ほかにも肯定する意見が結構多くありました。
1958年頃は、フランスが大量の移民を受け入れ始めた時期ですね。それ以前は、フランスでも公共の場に対してみんなで気を配ることが普通だったのでしょうか?
Dans notre classe de primaire (années du lait au goûter /58/60)chaque semaine nous devions cirer notre table de travail:respect de sa classe ,responsabilité des élèves .
tout lieu public est à chacun mais n’appartient à personne— agathe todeschini (@agathetodeschi1) 2019年1月30日
Il faut l’introduire dans nos écoles, s’est primordial !
— Keel Kool (@KoolKeel) 2019年2月1日
exemples a suivre….
— Jardin nikole (@JardinNikole) 2019年1月31日
Nous on fait cela dans nos classes de depuis le CP1 en Côte d’Ivoire 🤷🏿♂️🤷🏿♂️
— Sei D. Jean Josué (@sei_josue) 2019年1月31日
↑への返信
C’est super ça ! C’est une très bonne et éducation. En France, ça devrait être imposé quand on voit certains malpropres
— мαяιηα ♒️🐎 まりな (@NanaCoubo95) 2019年1月31日
Dans le lycée de ma fille (Allemagne), les élèves se relaient chaque jour (par 2) pour mettre la salle de classe en ordre ( balayer, essuyer tableau et bureaux, vider la corbeille). Le reste ( lavage du sol, vitres etc..) est ensuit effectué par le service de ménage. ⬇
— Caroline J.B. (@jobouscaro) 2019年1月31日
↑の続き
Pour chaque élève, c’est en moyenne un petit travail de 10 minutes tous les 15 jours. Ceux qui disent que c’est de l’esclavage, ils font quoi comme boulot?
— Caroline J.B. (@jobouscaro) 2019年1月31日
などなど。。まだまだ賛成意見はいっぱいありました。
その他
ただ気になるのは、クジラやゴーンさん、原発、福島に関連づけて皮肉る人が居たこと。
CARLOS GHOSN pourra confirmer
— magnac (@magnac3) 2019年1月30日
bon il leur reste plus qu à nettoyer foukoushima
— pp47 (@pepe47340) 2019年2月1日
En effet, c’est pas le sujet.
— Maelyne △ (@PerlesdeLyne) 2019年2月1日
また、前述したラング氏のツイートにも、こう言った言葉を投げかけている人もいました。
Certains pensait que c’était parce qu’ils nettoyaient plus et mieux lol.
N’empêche que si tu apprends dans les écoles comme eux, c’est sûr que tu te prendra pas mal de procès😂 Chez nous c’est “je jette à terre, pas grave y a quelqu’un payer pour nettoyer” https://t.co/csag7CULS0— jilko (@jilkobball) 2019年1月30日
実は、この訳は、いまいち自信がなかったので、正確な内容を知りたくて何人かのフランス人に見せたのですが、そうすると怒って「意味ない言葉だ」とか言う返答しか返ってこなくて困りました。自分に言われたとか思っちゃったのでしょうね、そんなつもりはなかったのですが。。(´・д・`)ゞゴメンネ。沢山「いいね」ついてるし、正確な訳にして載せたかっただけなんですぅ。。。(;^_^A
まとめ
まあ、色々な意見があふれていますが、
結果として、掃除することに奴隷と言う言葉を関連づける人は、ほんの一部の人だけであることがわかりました。
コメントの中には、他国を称賛することが気に入らない人のコメントも多数。その点は、自分の国を汚されたら腹が立つと言うのはどこの国でも同じことでしょう。
全てのコメントを見る限り、子供達が掃除していて、街並みにゴミが落ちていないように気を配っていることに対して、称賛している方の方が多いことは確かなようですね(*^─^*)
J’adore ce peuple 👏🏼
— Muhammad 🇫🇷 (@FrenchMoha) 2019年1月31日
BELLE EDUCATION
— youba fathym (@FathymYouba) 2019年1月31日
清掃が奴隷と言う言葉に関連づけられているのを見た日本人たちの反応
掃除することに対しての日本の反応ものせときますね(^^♪
そういえば「アラベスク第2部」でノンナが無断外泊の罰として、一週間トイレ掃除するシーンがあったのを思い出した。欧米では学校の掃除は生徒の役目ではないのかしら。 https://t.co/sUtTLJt32w
— セオ (@karenardsewo) 2019年2月3日
日本人がよく掃除するのは多分に宗教的要素があると思う。お寺の僧侶は掃除するが、彼らは清潔にすることを自分の心を清らかにすることととらえて実行した。おおざっぱに言うと、これが江戸時代、寺子屋などに教育として取り入れられて発展し、明治以降は富国強兵の元、学校教育に取り入れられたと思う
— シークーガー (@sii_kuga) 2019年2月2日
前にテレビで、日本の幼稚園教育で園児に掃除させるのを見た外国人保育士が、訝しげな顔でこんなのおかしいわ!と言っていた。
なるほど掃除をさせられる人間は位が低いと言いたいのか……。
それならばその国の公共の場が汚れるのも道理だよね。
園児はそう言う因果を学んでいるんだよ。 https://t.co/EQkQzRxwth— リューン (@ryu_n_dqx) 2019年2月2日
奴隷を使役していた欧州の発想はやはり日本人には理解できない。
彼らから見たら家で掃除をする奥さんも奴隷なのだろうか?— 伊勢守 (@Shougunsama9) 2019年2月2日
自分たちで使う場所を日本人みたいに掃除する習慣が無いからでしょう。
掃除は掃除専門の人がやる仕事だからでしょうか、理解はされないでしょう。— 伊勢守 (@Shougunsama9) 2019年2月2日
フランス語のコメント欄見たら、
「奴隷を作る」みたいな事書いてる人が居るけど、
掃除をすることを「奴隷」とした発想を持った人、頭大丈夫なのかしら、と思った。発想が貧困すぎて笑う。 https://t.co/OdzZQW4iN3— 中野★竹子🇯🇵 (@_nakano_takeko_) 2019年2月2日
シンガポールでも学校で生徒に掃除の義務付けを導入しましたが、親達は歓迎しているようです。
— アミ (@suwatanabe) 2019年2月2日
うわ、この感覚こわ。お掃除は下層階級の仕事っていうお家なのかなぁ… 。イギリス人の貴族でそういうコいました、昔。😔
— アタマ お花畑 りえ(元祖パリババ) (@RieinFrance) 2019年2月2日
日本では小学校からみんなで教室の掃除をするんだと話したら、そんなことフランスでしたらうちの子供はメイドじゃないってクレームがくると言っていた。。。自分たちで使った教室を掃除することのどこがメイドなんかわからん。メイドは他人が使った場所を掃除/片付けする人でしょう。 https://t.co/khIpFU8udk
— Yuumi Peralta (@yuumikins) 2019年2月3日
シンガポールは罰則が厳しいからね。日本人は自発的。なのでフランス人は正しい。シンガポールは白い北朝鮮と言われている。日本は自由民主主義。
— 西村 元延 (@ZswN9i5ZcdgJbHz) 2019年2月3日
こういうの無駄では無くて片付け癖がつくことや大人になった時の掃除をしてくれる人たちへのリスペクトになってると思う。
— Jay (@Nobo1969) 2019年2月3日
アメリカで70年代に空手道場を始めた人(名前は失念)の本で、弟子たちに掃除をさせたら当初体良く掃除夫にさせられていると反発されたような事が書かれていました。
自分たちで掃除・片付けをするのは欧米人の好きな『禅』から来ているのですけどね。— HooTa (@who_g) 2019年2月3日
①掃除とは男女、階級関係なく己の力で出来るようにする教育である
②掃除の時間を通して、綺麗にすることの大切さと苦労を実感する
③清潔さは多大な労力の上に実現されることを学べる
④大変な作業をこなす清掃労働の尊さを考える事ができる
⑤役割分担の大切さを多角的に学べる
— JOAch (@JOA_channel) 2019年2月4日
英国貴族を描いたドラマ「ダウントンアビー」で老貴族婦人(マギー・スミス名演!)が、「ウィークエンドって何?」と聞く場面がある。欧州人にとって労働はしなくて済むのがベストで、掃除は下層階級の仕事。一方、日本では天皇自ら田植えをし、掃除は修行の一種ですらある。こりゃ噛み合わないな。
— soarer (@takaodash) 2019年2月4日
貴族のコスチュームを着た芸人に掃除させるネタが超ウケる国柄ですから。 https://t.co/zqWJhffJX1
— ジョン・暖簾 (@mushokuchuunen) 2019年2月3日
アメリカ在住中、週末の日本語学校(現地の小学校を借りている)で夏休み前など父兄でお礼の意味も込めて大掃除をしてました。何人かの子供達(日本人)から「ジャニターの仕事だからやめて〜」と悲鳴が上がった。ジャニター(掃除夫)を見下している事も含めて父兄で緊急対策会議を開きました。
— 恋の手習い (@m_neil) 2019年2月4日
「掃除」とは仏教の修行の一つ。
お釈迦様の弟子、
周利槃特(チューラパンタカ)は
掃除によって悟りを開く。落とすべき汚れとは、
貪(rāga)、瞋(dveṣa) 、痴(moha)
という「心の汚れ」だと悟り、
すべての煩悩を滅して、
阿羅漢果を得たとされる。https://t.co/GDv3FBLxbs— 花鳥風月 (@toriyu2) 2019年2月4日
最後に
みなさんは、どう思いましたか?
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