「主婦は奴隷」と言う、原始的なフェミニズムの束縛から自由になれ!

フランスと日本、都会と田舎、中上級階級と庶民など、さまざまなはざまで生きてきた境界人であるため、他の人と違う視点を持った著述家として活動しています。コラム執筆などの依頼も請け負っております。

ulalaをフォローする
主婦は奴隷 海外で強く生きるヒント
この記事は約7分で読めます。

はーい(^O^)/Ulalaです♪すっごく長くなりました

ジェンダー・ギャップ156カ国中、日本は120位。G7最下位、「主婦は奴隷と一緒だ!」もっと女性は仕事しろ!

など、よく煽られる日本ですが、

でも、なんだかいつも違和感感じませんか?

ジェンダー・ギャップが向上すれば、女性が本当に幸福になれるの?

奴隷とか煽られて、それで主婦でなくなることが、女性にとっての本当の幸福なの?

ってか、日本女性の全員が、特に主婦はは不幸だって思っているの?

スポンサーリンク

世界経済フォーラムのジェンダーギャップ2021

世界経済フォーラムのジェンダーギャップ2021に関する記事を見ると、日本は、世界の

世界の進歩についていけず

とか、凄いこと書いてあります。

世界経済フォーラム発表 156カ国中、日本は120位。G7最下位が続き、世界の進歩についていけず(日経

しかし、内容を見てみてわかることは、

政治分野への参加率が低いからでた低成績のようです。

世界経済フォーラム発表 156カ国中、日本は120位。G7最下位が続き、世界の進歩についていけず

しかし、教育分野、健康・医療分野など、一般人が直接影響を受ける部分では、トップではないけれども、十分悪くないレベルなのです。

ということは、この世界経済フォーラムのジェンダーギャップは、政治にかかわろうとする人のみ関係することで、

一般女性にはあまりそこまで影響を感じる類のものではなさそうです。

女性で本当に幸せ? エルが世界で“幸福度”を大調査

だいたい、主婦という奴隷から解放され、社会進出が進み、環境などが整えば、日本人女性はもっと幸福になれるのでしょうか?

2015年の結果ですが、ELLEが行った女性の幸せについて世界中で調査を行った「Happiness Index」では、

なんと、すでに、

日本は89%が幸福

しかし、フランスは67%で日本より低い

という結果がでました。

女性の幸せについて世界中で調査を行った「Happiness Index」

引用元

ちなみに、この調査で、フランスは社会進出においても、環境の整備に置いても満足度は日本より高かったです。

ということは、

社会進出と環境の整備も、あまり幸福には関係しないようです。

日本では、専業主婦と働く妻どちらが幸せか?

慶応大学の調査によれば、

最も幸福度が高かったのは、子どものいない専業主婦!

幸福度が高い順位は下記となりました。

1.子どものいない専業主婦
2.子どものいない働く妻
3.子どものいる専業主婦
4.子どものいる働く妻
要するに、
 
子供がいない方がより幸福を感じ、
働いているより、専業主婦の方が幸福度が高い
 
ということです。
 
子供ができると、負担が増えることなどから幸福度が減ることが考えられます。子供ができてからの支援は増やすことは必須です。
 
しかし、日本の女性は働くことに関しては、働くよりも、むしろ主婦の立場の方が幸福と感じているようです。

「主婦は奴隷」という発想はどこから来た?

日本では、主婦は奴隷という発想は西洋に来れべるとあまりあてはまならない表現のように思えます。
 
16世紀に日本に居た。ポルトガルのイエズス会の宣教師 ルイス・フロイス が日本とヨーロッパを比べてこう記しています。
 

・ヨーロッパでは、夫が前、妻が後ろになって歩く。日本では夫が後、妻が前を歩く。

・ヨーロッパでは、財産は夫婦の間で共有である。日本では各人が自分の分を所有している。時には妻が夫に高利で貸付ける。

・ヨーロッパでは、妻を離別することは、罪悪である上に、最大の不名誉である。日本では意のままに幾人でも離別する。妻はそのことによって、名誉も失わないし、また結婚もできる。

・ヨーロッパでは、汚れた天声に従って、夫が妻を離別するのが普通である。日本では、しばしば妻が夫を離別する

・ヨーロッパでは、妻は夫の許可が無くては、家から出ない。日本の女性は夫に知らせず、好きな所に行く自由をもっている。

ヨーロッパ文化と日本文化
ルイス・フロイス

イエズス会宣教師ルイス・フロイス(一五三二‐九七)は,三十五年間日本での布教に努め,長崎で没した.その間当時の日本の社会を細かく観察し,ヨーロッパのそれと比較・対照して記録した.筆は,衣食住,宗教生活,武器から演劇,歌謡等多方面におよぶ.貴重な史料であるだけでなく,現代の我々に様々な問題をよびさまさずにはおかない.

19世紀の幕末に日本に滞在していたオランダ人のカッテンディーケとイギリス人のオールコックらによれば、

日本女性は「女性の当然受くべき名誉が与えられ」ており「妻が夫に対してより良き伴侶であり、その立場が、一段と平等だと言えるかも知れない」

と言っています。

ヨーロッパよりは、日本のこの時代でも女性の地位は高かったと言えるかもしれません。例えば「家父長制」、父親が家庭内の長として家族員を支配する家族形態のことですが、日本の家父長制は本当に家父長だろうかという疑問を持つ人もいます。なぜなら、女性がお金や家を管理しているのです。

財布は夫が握り妻は夫からお小遣いを貰うという、欧米など財産を持ったり管理する権利がなかった専業主婦家庭事情とはまったく違います。

現代においても、結婚していても、日本は専業主婦でいても年金の保証はありますが、フランスなどはありません。完全なただ働きであり、家事をする=家政婦さんの仕事をするという意味あいで、なんの尊厳もありません。家事は、価値ある仕事をしていると思われていないという事です。

自分のお金ではないので、財産を管理している夫からもらうことになります。

また、フランスでは結婚ではなく、PACSという事実婚での契約が多いので、何かあったらすぐ追い出される可能性もあります。

人が幸福と思える時は、下記の3つの条件がある時ですが、

・ありのままでいられる
・役に立っていると思える
・居場所がある
日本は、上記の3つを満たした状態で主婦としていれるけど、フランスでは同じ主婦と言う言葉を使っていても、日本の主婦とは違うとも言えるのです。
 
おまけに、シモーヌ・ド・ボーヴォワールが「第2の性」を書き、フェミニズム運動が盛んになりはじめた70年前は、フランスでは、自由に離婚もできず、働きにいくのにも夫からの許可書がいるような時代で、その当時のフランスの女性は、
 
主婦=奴隷
 
だったと感じていた人もいたかもしれません。
決定版 第二の性〈1〉事実と神話
シモーヌ・ド ボーヴォワール

「世界は誰かの仕事でできている。」「バイトするなら、タウンワーク。」女とは何か。女と男とはどう違うのか。なぜ歴史の初めから男女という性別に序列がつけられ、女は男より劣った性“第二の性”とされているのか。男たちは法と慣習を通じて、歴史的にどう女の地位を決定したのか―女性を文化人類学、心理学、哲学、神話学、文学といった様々な角度から分析し、女性の置かれている立場を明快に解説した女性論の古典を、現代の感覚で新訳する。

専業主婦はみじめな存在、働くべきと言われ続けたフランス

そして、フェミニズム運動が盛んになり、女性が社会進出することを推奨されるようになりました。

その当時に同調圧力を高めるために、フランスの働く女性たちは主婦を蔑みの存在と扱うようになっていったのです。

しかし、現在の若い世代では、その同調圧力による主婦へのネガティブキャンペーンに対して反対する人も増えてきました。

そこには、子育てをして家庭で過ごすことに対して幸福を感じるという、本来本能的なことを否定されることに対する不満が。

「主婦」とは呼ばず「家庭の素晴らしい人々」と呼び名にしたブログを始め、現在ではイベントなども開催している人もいます。メディアにも出演している方です。

Accueil
Révéler la Fabuleuse en chaque maman

このサイトの主催者のヘレン・ボノムさんは、仕事することを推奨する昔のフェミニストを、原始時代のフェミニストと呼んでいるのが見受けられます。

「仕事をすることにより、女性は男性から大きく距離を大きく距離をとれます。仕事のみが自由を保証できるのです。」(シモーヌ・ド・ボーヴォワール、第二の性)。

この文から70年後の現代、原始時代のフェミニストの約束は、燃え尽き症候群と精神疲労を意味します。こういった束縛から解放された母親であるあなたは、両立が簡単ではないことを知っています

私の世代は、仕事している側を選ばせたいという原始的なフェミニズムの支配下で育ちました。その結果、社会的な女性であることと精神的に女性であるという表現の間に無残な分裂が生じています。一方では活動的な働く女性でありがながら、一方ではイライラする主婦でもあるのです。さあ、どっちにしますか!(引用

主婦でいることを否定されるフランスでは、主婦でいることを肯定するためにも戦っている人がいるんですね。

まさしく、「主婦は奴隷」という原始時代のフェミニストの言葉と戦っているのです。

日本でも、専業主婦でいることで幸福を感じる人がいますが、それはフランスでも同じなのです。仕事するだけが女性の全てでもないのです。

幸福とは働くことでもないし、
幸福とは平等になることでもないです。

なので、もう「主婦=奴隷」という言葉はやめた方がいいと思います。

働くのも自由、主婦になりたいのも自由。

それが現代。

自分がなりたい者になるべきです。

変な押し付けされず、生き方を自分で選べるってってことが大切です。

もう、フランスですらも、こういった古い時代の言葉は遺跡の一つになっていきそうですね。

でわでわ、また明日~(^^♪

コメント

  1. より:

    はじめまして。
    いつもTwitter読ませて頂いております。
    日本生まれ日本育ちの20代の女です。
     
    まず『ジェンダーギャップランキング』とやらにはずっと疑問でした。
    まずその基準誰が決めたん?そんなランキング作ってどうすんだ?大事なのは個人の幸せでは?とずっと思ってました。
    日本人女性としてそれなりに楽しく生きてきたと言えば『それは搾取されてる事に気付いてない』、『そうやって男に媚びて生きてきたんだ』と女性から言われ、私の味方はどこやねんな!!って思ってました。息苦しいです。

    愚痴を言ってしまってすいません。

    『原始的フェミニスト』の話は驚きました。あと専業主婦に年金が出ない、専業主婦になれば旦那様のお給料管理できないっていうのも。国の数だけ戦い方も様々ですね。フランスの女性も大変ですね。

    個人の幸せは個人が決める、人の数だけ価値観がある、自分の価値観を押し付けない・決め付けない事って本当に大切で、だけど本当に難しいんですよね。

    でも、そういう考えを忘れずにいたら他人に対して寛容になれるし、回り回って自分の幸せにもつながるのかもしれないですね。

    大切にしなきゃいけないのは『海外からの反応』でも所謂”’先進的な女性”’の意見でもないんですよね。一喜一憂してたら勿体無いですね。
    改めてそう感じました。

    余談ですが山口百恵さんが、ご結婚して引退された時も同じ女性から時代に逆行してると叱られたみたいですが、彼女の著書に『自立してる女性というのは、生きる上で自分にとって何が大切なのかをよく知っている女性。仕事でも家庭でも恋人でもいい。社会に出て働く事だけが自立ではない(意訳)』と書かれていました。
    息苦しくなった時いつも思い出しています。
    原始的フェミニストに苦しむ人がいらっしゃったら、意見の一つとして是非伝えてあげて下さいませ。
    (学校を卒業したら母親になる事が夢だけど皆に反対されると嘆いていたドイツ人女子に伝えたら元気出してくれました。)

    • ulala より:

      いつも読んでいただいてありがとうございます(^^♪

      >個人の幸せは個人が決める、人の数だけ価値観がある、自分の価値観を押し付けない・決め付けない事って本当に大切で、だけど本当に難しいんですよね。

      >大切にしなきゃいけないのは『海外からの反応』でも所謂”’先進的な女性”’の意見でもないんですよね。一喜一憂してたら勿体無いですね。

      本当にその通りです。人の数だけ価値観があります。海外のことがだけが正しいわけではありません。需要なのは、人に価値観を押し付けたり、これが正しいとは勝手に決めないこと。そして、お互いにその価値観を尊重しあい、各個人の幸せを大切にすることです。

      山口百恵さんって、そんなことをおっしゃってたのですね。でも、その通りですね。他人に左右されず、自分が幸福と感じ、生きる価値がある人生と思える人生を歩むのが大切だと思います。

タイトルとURLをコピーしました