PISA 2009 の結果から分かること

文部省のサイトのPISAまとめがアップされました♪
教育専門者じゃない私には、まとめてあって一番わかりやすいです。

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/07/1284443_01.pdf

ざっと、まとめのまとめを日本とフランスで比べて表にまとめるとこんな感じです。

  読解力 数学 科学
  2006年 2009年 2006年 2009年 2006年 2009年
日本 15位 8位 ↑10位 9位 ↑ 6位 5位 ↑
  498 520 523 529 531 539
フランス 23位 22位↑ 22位 22位 → 25位 27位↓
  488 498 496 497 495 498
OECD平均 492 493 496 498 500 501
ベルギー   11位   14位   21位
とりあえず、日本はOECD平均(2009年度 参加国65か国)の平均点数よりすべて上で、 なんでも欧米に学ぼうなんて思って思いついたのか「ゆとり教育」 おかげですっかり悪影響を及ぼしてきたと言われてきましが、

今回は、ちょっと順位もあがり、がんばってきた先生方もほっとしたのではないでしょうか。

で~もまだまだだ!って声が多いですがね。

小麦粉を主食にしてきた欧米。
比較的休みの多い小麦収穫のリズムと同じように学校時間が決まってきたとういうお話。
だから夏に3ヶ月とか長期的な休みとかいう結果になったそうです。

だけど、手間のかかる米を主食にしてきたアジア。いつもいつも、ちょこちょこと手間がかかるので、ゆ~っくり長く休む時間がないこの習慣が学校のリズムにも影響を及ぼしました。

このことが、アジア人の方が数学ができるという最終結果がでた一因だそうです。

毎日コツコツが学ぶには一番大切だというお話。

欧米真似して「ゆとって」なくていいですよ。日本は日本。

ということで、小麦を主食とするフランスも今回は、学力向上をがんばってきましたが
あまりいい結果がでなかったようです。
覚えることが多すぎるフランス語力に、かなり重点を置いて、数学の方がおざなりになった感もあり。

日本って、日本古来の言い回しがあっても
例えば月の読み方
◆睦月(むつき)◆如月(きさらぎ)◆弥生(やよい)◆卯月(うづき)◆皐月(さつき)◆水無月(みなづき)
◆文月(ふづき)◆葉月(はづき)◆長月(ながつき)◆神無月(かんなづき)◆霜月(しもつき)◆師走(しわす)

情緒があって、素敵だと思いますが、今では簡単に1月、2月、3月に代えて使っています。

おかげ、小学校でこの月の名前を覚える必要がなくなった。

まあ、月の数え方ぐらい簡単なことだけど、

その他の無駄に覚えなくちゃいけない言葉が多すぎるフランス語

フランス語の美しい響きを残すために力を注いでいるフランスなのですが、
それがフランス初等教育の首を絞めている原因の一つかな、、と思う今日この頃。

フランス語の綴りを覚えるのに異様に時間がかかりすぎ。

そんな難関も乗り越えて、それでもフランス語に誇りを持ってきたフランスだけど、
最近では英語におされ、フランス語を学ぶ価値も低くなっているので、
フランスの大学に来る学生も少なくなっているのだとか。

そして、
移民も多いフランスなので、ある意味日本とは比べられない点もあります。

フランスの最大の特徴は、各カテゴリー、最低レベル未満の比率が他の国に比べて妙に高いこと。


読解
レベル1b未満
日本が1.3%
フランス2.3%
OECD平均 1.1%

数学
レベル1未満
日本 4.0%
フランス 9.5%
OECD平均 8.0%

科学
レベル1未満
日本 3.2%
フランス 7.1%
OECD平均 5.0%

おまけに科学なんて、できる子の比率もすくなかったりするフランス。。。
レベル6
日本 3.1%
フランス 0.8%
OECD平均 1.1%


OECD平均よりできない子の比率が多いって、、どうよ。。。

この最低レベルの人が全員が全員、移民の人というわけではありませんが、
よく言われるように、中級家庭の家庭は教育レベルも高く、
所得が低い家庭はレベルが低い場合が多いと言われます。

というのも、中級家庭では、親自身が勉強してきた経験があり、
勉強を教えるというよりも、勉強する必要性とか、こつを教えられるからだそうです。

でも、移民家庭に多い低所得家庭では、お金を稼ぐ事自体に注意力もいき、時間もない場合も多い。

ということで、所得格差の大きいフランスでは、出来る子、出来ない子の差も広がり
各学校、各クラスでの格差が広がり、できない子のサポートに力を入れいくことに時間がかってしまう
なんてことも問題になってきています。

まあ、とは言っても、フランスの出来る子はほんとうにできるので。
家庭、家庭の気持ちの持ちしだいですね♪

↓Le Poinでは、最悪の結果にならなくて、胸をなでおろしていると伝えています。
http://www.lepoint.fr/chroniqueurs-du-point/marie-sandrine-sgherri/education-la-france-evite-la-catastrophe-07-12-2010-1271984_301.php

余談1.しかし、気になるのが、結構いるも上位に入っている「リヒテンシュタイン」
リヒテンシュタインって国は、国籍が買えたそうです(今は知りませんが)
それでもって、税金も安かったので、優秀なユダヤ人がこぞってこの国の国籍を持ったとか。。
それが原因だとしたら、すごいお話だな。。。って。。

余談2.ちなみにベルギーも表に入れているのは、
今では少なくなってきたと思いますが、移民だ、アジア人だと見下し感情があったフランス。
それはベルギーに対してもありました。
フランスの方が優位だと思っているベルギー人も、今だにいると思います。
だけど、、なんてことはない。。
韓国、日本、台湾、そしてベルギーも、教育に関しては、フランスより上なんですよ(笑)