フランス語は難しい?

ケイケイの宿題させながら、

ついでに、一緒にdicteeをやるulala(笑)

そんな話を冗談交じりにフランス人にしてたら、、

「フランス語は習ってないの?」

とまじめな質問が返ってきた。

いや、、多分、、あなたが思っているレベルかどうかはわからないけど、、、

とりあえず、アルファベットも書けるし、文書も書けるよ、、、、
ces ses c'estの書き分けもちゃんとできるよ、、、
文章も読めるし、新聞も読むし、雑誌も読むし、、(あっ、悪筆のフランス人のは字は読めないけど、、)
でも、書くと、スペル間違いいっぱいするだけで、、

と心で思いながら、どう返事しようか考えてしまう。。。

だいたい、フランス人は、日本人はアルファベットを書けないと思っている。
そういうレベルじゃないってとこから話さなくちゃいけないのがメンドクサイ。

こちらは普通に習ってきているから、なぜアルファベットが書けないと思うのかがよくわからない。
まあ、確かに、
ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット等の複数の文字を使っている国なんて他になくて
かなり珍しいんだけどね、、。

先日、ミミの学年始めの説明会で、先生が、年中さんではブロック体の文字を教えていると話していたら、
多分、フランス出身じゃないなまりの強いお母さまが

「どうして、ブロック体の小文字なんか教えるの?
私が小さい時はそんな物習わなかったから、必要ないんじゃない?」

と発言。

って、ブロック体の小文字って活字にもなっているんだから、
習わない方が不自然じゃないのかい?

とふと思った。

実際、現在のフランスの学校では、ブロック体の小文字の書き方は特に練習させない。
要するに、普段は筆記体で文字書くため、読める必要はあるけど、書ける必要はないというわけだ。

まあ、習わなくても、自然に覚える文字ではあるとは思うけど、、、、


そんな感じで、日本語のように、
ひらがな、カタカタ、漢字、アルファベットとすごい数を覚えなくちゃいけないないのに対して、
ブロック体大文字、小文字,筆記体 大文字、小文字の
26×4文字しかおぼえなくていいフランス語だけど、
小文字ブロック体の書き方を教えることは、省いて26×3文字にしているフランス、、、(笑)

でも、実際、文字を覚えるのは簡単だけど、その後がめんどくさい。
今、ケイケイが奮闘している通り、スペルを覚えていくのが大変なのだ。

発音しないのに、語尾にsが付いたり、xが付いたり、、、
だいたい、英語よりはましかもしれないけど、発音するように単語を書かない。
それでもって、異様に多い「例外」がある。

要するに、この無秩序な文字を、全て暗記しろ!

というのがフランス語だと思うこの頃。

ということで、高校卒業してもちゃんと書けない人も現れるのでしょう。

そんな、フランス人のみなさんが量の多い宿題をこなし小学校から何年もかけて暗記してきた文字を
3ヶ月ぐらい習っただけの、ulalaがスペルを覚えきってないのは当たり前なのよ、、

日本でも、外国人は漢字を覚えるのにかなり苦労している。

でも、どっちかというと日本語は、
日カタカナも、ひらがなも、話す通り、聞いた通りに書けばいいので簡単。
漢字の文字にも意味があって覚えやすく、見ただけで、イメージが掴みやすく読むときに理解しやすい。

と思う。

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数年前に『フィガロ』が非識字率を主題にした特集を組んでいたことがある。
そこには、フランスの12歳児の35%が「速読できない」という統計結果が示されていた。
「速読できない」というのは単語を拾って文章を読み上げることはできるのだが、読み終えたあとに「今読んだところに何が書いてあったのか」と質問されても答えられないということである。
フランスの初等教育カリキュラムに別に構造的な難点があるわけではない。
しかし、つねに一定のパーセンテージで非識字者が発生する。
一方、日本の初等教育については、その欠点をなじる人はいくらもいるが、にもかかわらず日本人には非識字者がほとんどいない「功績」については、言及する人が少ない。
なぜ日本人は識字率が世界でもっとも高いのか。
私は長いことその理由がわからなかったが、先般、養老先生にその理由を教えていただいた。
それは、日本人が文字を読むとき脳内の二カ所を同時に使っているからである。
漢字は表意文字であるので、図像として認識される。ひらがなカタカナは表音文字であるので、音声として認識される。
図像を認識する脳内部位と、音声を認識する脳内部位は「別の場所」である。
だから、アルファベット言語圏では、脳の器質障害の結果の失読症では患者は端的に文字が読めなくなるが、日本人の失読症患者の場合、障害を生じた箇所によって、「漢字は読めないが、かなは読める」「かなは読めないが、漢字は読める」という二つの病態に分岐するのである。
文字を読むときに単一の部位を使うのと、二つの部位を使って並列処理するのでは、作業能率が違う(たぶん)。


引用元
http://blog.tatsuru.com/2008/04/23_1545.php
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昔、志賀直哉が、雑誌『改造』に「国語問題」を発表し、
その中で「日本語を廃止して、世界中で一番美しい言語であるフランス語を採用せよ
と提案したことがあったそうだけど、

実際、そんな”あほ”なことしなくて本当によかったね。と思うわ。

GHQの要請で、アメリカ教育使節団が、日本政府に
「漢字を廃止して、ローマ字にしろ」(「アメリカ教育使節団報告書」(講談社学術文庫)記載)
と勧告してきた時代で、そういう風潮だった頃のお話。

結局、このGHQ要請の漢字廃止論も、テストしたら、
簡単だと思っていた英語圏の識字率より、
難しい漢字を使っている日本の識字率の方が高かったので、
漢字を使い続けることになったというのがすごい。

フランス語には翻訳されない英語の情報も、
勤勉な日本人がさっと翻訳してくれて、すぐ日本語として本になるから、
日本語を知っている方が情報源が多くなる。

そして、そんな情報源も、漢字という素晴らしいイメージ言語のお陰で、
フランス人がフランス語を読むよりも早く読めるから、読む本の量も多くなる。

となにかし、日本語の方が利点が多い気がするんだよな、、、

だから、フランス人にどう思われても、
今だに、フランス語のスペル暗記を重視しきれないulala。

だいたい、言語ってツールであるから使えればいいだけだし、
フランス語の先生になる予定も、フランスで作家になる予定もないしな、、、、

でも、機会がある時はそれを逃さないということで、
今日もケイケイと、dicteeをするulalaなのでした~